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アニメの実写化はなぜ批判が目立つのか
経済学部経済法学科 1 年
1809001 青柳 凜
1 序章 最近映画予告を見ているとアニメ実写映画が多く感じる。実際に歴代実写映画本数を調べてみると2012年27本、2013年22 本、2014年39本、2015年32本、2016年41本と年々増加しているのがわかる。去年も「銀魂」や「ジョジョの奇妙な冒険」 など様々な大人気少年漫画やアニメが実写化された。オリジナルの脚本より知名度の高いアニメを映画化するとなると多くの話題を呼ぶの で年々増え続ける理由がわからなくもない。しかしそれほど映画予告を見る機会のない私までもが年々増加していることに気づいたのは映 画公開とセットに公開発表後のネット上で繰り広げられる批判意見の多さが印象的だったからである。賛否両論あるが何らかのアニメの実 写映画が公開されるたびにネット上で多くの批判の意見を目にするのは珍しいことではない。なぜアニメ実写化映画は批判されるのだろう か。今回アニメ版「氷菓」と映画版「氷菓」を比較していい点と悪い点をを考えていき、批判される理由の核心に迫る。
2 あらすじ 氷菓は学園ミステリー小説として2001年に発売された。その後2012年にテレビアニメ化され徐々に熱狂的なファンが増えていっ た。そして原作からは16年、アニメ化からは5年たったこのタイミングで2017年11月3日に映画が公開された。省エネ主義の主人 公、折木奉太郎は神山高校でも灰色の高校生活を送るつもりだったが入学後、姉の言いつけである部活の存続のために廃部寸前の古典部に 入学することとなる。その部活で一身上の都合で入部して来た好奇心旺盛な千反田えるに出会い、主人公の中学から友人である福部里志や 伊藤摩耶花とともに様々な謎を解き明かしていくというストーリーである。
3 良かった点 いい点としては映画はアニメ版でオープニングで登場するなど原作ファンおなじみの弥生橋や高校などアニメの世界観を守りつつオリジ ナルのロケ地を交えた原作ファンも原作を知らないファンも楽しめる内容になっているように感じたことである。よくある批判の「原作の 世界観を壊された」 「原作の設定と全然違う」という意見少なからず私はそう思わなかったし非常にその辺は配慮されていると感じた。スト
ーリーも何ヵ所か変更されている点はあったが尺の問題的にも削らざるを得なかったのだろうと思いそれほど違和感は感じず、初めて見る 人にとってもミステリー好きではないキャスト目当ての層にもとても分かりやすく説得力があるストーリーになっていたと思う。
4 悪かった点 話が全体的に地味で主人公もおとなしい性格で全体的にわざわざ映画化するような内容だろうかと感じてしまった。特にだれか殺人事件 と遭遇したり爆破現場を目撃したりすることなく淡々と進んでいくのに物足りない気がした。これが古典部のシリーズの売りだと言われれ ばそれまでなのだが、アニメ30分だとほのぼのまったりした空間に癒され些細な謎が解決されたときのすっきりした感覚が心地よかった のだが、2時間の映画となるといつまでこの状況が続くのか、先の展開にはやくいかないのかと思った。そもそも始めに展開された3つの 謎解きは謎解きと読んでいいものなのだろうか。まず一つ目はなぜ千反田が部室に入ったあと、折木が開錠して入ったがなぜその間に鍵が 施錠されたのか。二つ目はなぜ学校史が金曜日に駆り出されて即日返却できるのか。三つめは古典部の文集のバックナンバーの場所はどこ か。普段ミステリーを見るとき途中まで全然わからず主人公とともに徐々に見当がつくあの感覚が好きなのでこの謎解きはすぐにわかって しまい少しつまらなく感じた。ミステリー=殺人事件、ド派手な爆破、謎めいたトリックなど小さなころから名探偵コナンをみていたせい かそう言った先入観があるからなのかもしれない。
5 まとめ 少なからずアニメ、小説を実写化するとなるとビジュアルの問題や内容の違いなど原作ファンからすると物足りなさを感じる人もいる。 しかし実写化する側は原作のイメージに近いものをつくろうと努力しているのも今回見比べることで感じることができた。時代とともにC Gの技術は進化し映画もこれからさらにより良いものになると予想できる。今後は実写化が増え続ける理由についての研究をしたいと思う。 (40 字×21 行=約 1780 字